鉄にちなんだ手芸講座。

○2002年5月25日
 今日行われた、「JR東日本大宮工場一般公開」の会場で、こんなものを1グラム1円で入手しました。
 (ちなみに、本当は700グラム弱あったのだが、500円にまけてもらいました。職員さんサンクスなり)

結構重いものです。

 確証はないが、多分103系あたりで使われていたシートモケットであろう。つーか、鉄道系のパーツで布モノと言ったら「制服」「ブラインド」ぐらいしか思い当たらない。しかし、制服のそれとは明らかに違うし、ブラインドにしては大きすぎる。よって、この布はシートモケットなんだよ、多分。ちなみに、寸法は縦が約78cm、横が約113cmと言うかなりの大物。

 で、ワシとしては、彼にもう一度本業に戻ってもらいたいと思ったわけなのです。よって、そのまま飾っておくのも勿体無いし、ラグとして使うことも考えたが、あまりにも小さいので、座布団カバーにしてしまおうと思ったわけ。

 そうと決めたら早速行動に移すのが、ワシの長所であり短所でもある。

 まず問題は、現段階で裁縫道具がまったくないこと。このことに関しては、近所に住んでいることが発覚した大学の友人(実家通い)に交渉のメールを打ち、ゲームとの交換条件でミシンとボビンとボビンケースを調達。(この時点で、布切鋏借りるの忘れていることに気がついていないヴァカ壱名)あと調達すべきもののリストを挙げておこう。

 糸と中綿はすんなり見つかりそうだが、ファスナーって手芸用で売ってるものなのかが怪しい。その前に、この計画を思いついたのが月末なので、財布の中身があるかどうかが怪しい


調達物資たち。中綿は後日上尾の○広で購入したらしい。

○下準備
 まず、物資の調達。これは良いとしよう。問題は、「いかにしてこの布を清潔にするか」である。今まで相当多くのお客様の尻に敷かれてきたものなので、お世辞にも清潔とは言えないものだろう。かといって、一般生活には馴染みの無い布なので、どうやって洗って良いかも分からない。そして、色落ちの恐怖にも襲われる。むやみに洗って色落ちしたり、縮んだりしようもんなら、この布の価値は一気に下がるだろう(多分)
 そこでまず、風呂場に持って行きシャワーで流してみた。色落ちの心配はなさそうであったが、汚れが落ちているとは思えなかった。そこで、水を含んで重くなったモケットを持ちながら考えてみる。

 「電車区(特に勝田電車区、何となくではあるが…)とかで汚くなったモケットをどのように洗っているのだろうか? きっと水は用いられるだろう。しかし、電車区内でデリケートに水洗いしている余裕などは無いはずだ。きっと、座席から剥がして洗濯機で洗っているに違いない。」

 と、見事なまでに湾曲した思考の上で、モケットを自宅の洗濯機に放り込む。タイマーを仕掛けたので、結果は翌日になってみないと分からないのだが…。で、その結果がこれ。

 心配していたほどの色落ちや縮みはなかった模様。とりあえず安心。
 この状態で干して学校へ行ったは良いが、写真を撮った時は晴れていたのに、午後になって雨が降ってきたので心配をしてしまったが、余計な心配だったことを付け加えておこう。

○手芸の時間
 干してからの月日が相当経った某月の日曜日に工作開始。その日までには、中綿も入手できていたし。ただ、ひとつ予想外だったのが、50cm四方の座布団の中綿というものが見つからなかったこと。よく探してなかったからかもしれないけれども。代わりに、50cm四方のクッションの中綿というものを入手。まぁ、あまり変わりもないだろうという、これまた湾曲した思考の上でのお買い物でしたが。
 まずは、真中から半分に折って袋状にする。ここまでは簡単ですよ。中学校家庭科の授業でもやってますからね。

 問題は、ここから先。いかにしてファスナーを付けるかである。あれこれ試行錯誤して、見栄えが良く、簡単な方法と言うことで、以下にあげた方法をとる。

 まぁ、見難いとは思いますが説明するのもメンドクサイので簡単に。図を見てこんな感じです♪ つーのを解って頂ければこれ幸い。つーか、解ってぷりーづ。
 とまぁ、キーボードに向かってこの文章を打ち込んでいくのは簡単ではあるが、いざこれをこんな風に縫ってみろ、と、自分で考えた通りにやるんですけどね、難しいのなんのって。しかも、途中からミシンの調子が悪くなってきましたし。ちなみに、借り物なのにミシン針を2本折って1本曲げてしまったのはここだけの話だ(笑
 しかし、2時間ほどミシンと格闘したものの直らないものは直らなかった。つーか、ミシンに負けたのは結構ショックだったぞ、うん。で、結局最終手段として、手縫い作戦を決行せざるを得なくなることに。
 この手縫い作戦が、結構曲者で上を縫うのに30分、下を縫うのにもう30分、計1時間もかかってしまった。しかも、見栄え非常に悪し。しかも、使ってみてわかったのですが、わが貧弱な手芸技術が功を奏してか(←あえてこう使う)チャックと布がだんだん分離してきてしまったのです。こればっかりは、ワシも見るに耐えないと思ったので、貧弱な手芸技術で補強しましたよ。しかし、中学のときに習った「手縫いで返し縫いをする方法」が、うろ覚えながらも、まさかこんなところで約に立つと思ってませんでしたよ。


これ、裏側なんですけどね、キタネー

で、完成品はこんな感じに仕上がりました。

 元がクッション用の中綿を詰めているので、完成当時はぷっくりしていましたが、現在ではワシのケツに敷いているため、当初の計画の座布団に近づいてきていると思います。しかし、1人暮らしの男、しかも鉄道趣味を持つ男が手芸をするなんて、と思われる女性閲覧者(はまずいないと思いますけど)には、男でもある程度なら手芸も出来るのであるということを声を大にして言いたい。もし閲覧されている方でも、興味をもたれたら、他の鉄道部品を用いて何か別のものに作り変えてみてはいかがですが? (間違っても、もうシートモケットは出ないよなぁ…、多分。)

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